ワイナリー 2015.11.17

ブルジョワ・ディアズ Bourgeois Diaz

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ブルジョワ・ディアズ
Bourgeois Diaz

産地:フランス シャンパーニュ Champagne,France

フランス

ヴァレ・ド・ラ・マルヌの Crouttes-sur-Marne にドメーヌは所在する。ランスから約 50 km、パリからも約 50 km、ヴァレ・ ド・ラ・マルヌの最も東側に位置する(因みにビオディナミ・シャンパーニュの生産者として名高いフランソワーズ・ベデルと 同じ村)。畑は Villiers-Saint-Denis(粘土石灰/PM)、Nanteuil-sur-Marne(粘土中心/CH,PN)、 Charly sur Marne (粘土石灰/PM)、Crouttes-sur-Marne(粘土と砂/PN,PM,CH)に、全面積で約 7ha を所有し、PM が 3.5ha、PN が 2ha、CH が 1ha の内訳でそれぞれ栽培する。現当主の Jêrôme Bourgeois/
ジェローム・ブルジョワ氏は4代目。1960 年代に祖父が Crouttes-sur-Marne で最初にブドウを栽培。1980 年に父がドメーヌを継承した当時は 1ha の畑しか所有しておらず、協同組合にブドウを売っていたが、2000 年にドメーヌ元詰を開始し、所有畑も 6ha まで拡大した。2001 年にジェローム氏がシ ャンパーニュ造りに関わり始めた当初は、リュット・レゾネで栽培していたが、南仏のレ オン・バラル、ロワールのティエリー・ピュズラなどのビオディナミ生産者のワインを飲むうち に、ビオディナミがワインのおいしさを最も引き出す農法ではないかと考えはじめ、
2005 年に除草剤の使用をやめ、2009 年からビオディナミを開始。シャンパーニュの 認証取得には6年がかかるため、2015 年にはビオディナミ認証団体「デメテール」の 認証を取得予定。

<栽培> 収量減少や病虫害のリスクを避けるために、最初にオーガニック栽培に取り組んで、その後ビオディナミ栽培に変えて 行く生産者もいるのだが、ジェローム氏はいきなりビオディナミを選んでいる。その理由を聞くと「形式だけではなく、心か ら取り組めるビオディナミ栽培の方が自分に合うと思った」と答えている。マルヌ川から非常に近い位置にあり、谷間に 位置するヴァレ・ド・ラ・マルヌは、丘の上にあるモンターニュ・ド・ランスなどと比べて湿度が高く、オーガニック栽培への 取り組みがより困難とされる。たとえば、葉の生育期に降雨量が1週間で 20 mmを超えたら、ボルドー液をすぐにまか
なければならない。農薬と違って、葉の中(ブドウの樹)に薬剤がしみ込んでいかないからだ。畑も何度も耕す必要 がある。しかし、農薬を使ったカチカチの畑と違って、土がとても柔らかく「生きている」と言う。またビオディナミで使うシリ ス(水晶)の粉は太陽の光を集めると言われるが「太陽の光が少ないシャンパーニュにはとても合っていると思う」との こと。ビオディナミ栽培を始めてからブドウ樹自身が葉をつける位置を考えるようになり、それぞれが重なり合わないよう に、風を通せるように葉をつけている。ちなみにフランソワーズ・ベデルは、シリスを撒く回数が少ないので、ジェロームの 畑よりも葉の位置が低いとのこと。同じビオディナミでも、生産者の考え方によって畑の様相が異なるようだ。

<醸造> 収穫は手摘み。畑で熟したものから選果して摘む。伝統的な垂直圧搾式のプレス機でプレスする。途中でブドウを返 さないといけないので手間はかかるが、 ほどよい圧搾具合になるという。発酵は自然酵母を使用。デブルバージュの時 にも清澄材を使わずに、自然に澱が落ちるまで待つ。熟成は 2/3 がステンレス、1/3 が樽。MLFはすべてのキュヴェ で行う。酸を残すためにMLFを避ける生産者もいるが、ビオディナミ栽培のおかげで きちんとミネラル感が表現されるため、MLFで酸がまろやかになっても味わいがボケる
ことがない。二次発酵の際の酵母も、ドメーヌの地つき酵母を培養して強力なものを選んで使っている。酸化防止剤(S O2)の使用量もできる限り抑えている。カーヴには購入したばかりのアンフォラが置かれていて「どうなるのか、これから使っ てみようと思って」とジェローム氏は笑顔で答えていた。醸造についてもまだまだ色々と挑戦中なのである。

La Rosé de Saignée
セパージュ : PM50% PN50%
畑 : バレ・ド・ラ・マルヌに 6.7ha 所有。標高 102m。南及び南西向き。
樹齢 : 平均 35 年
密植度 : 10000 本/ha
栽培&醸造 : ビオディナミ農法。8~10 日毎に銅、硫黄、ハーブティーを撒く。収量は 60hl/ha。2011 年のキュ ヴェがメイン。垂直式プレスで圧搾。36 時間のマセラシオン。樽とステンレスタンクにて、自然酵母を用い 19°Cで 15 日間かけてアルコール発酵。MLF は 16°Cで 45 日間かけて行なう。60%をステンレスタンク、18%を樽にて 8 ヶ月 間の熟成。少々フィルターにかける。清澄はなし。澱引きなし。ドサージュ 3g/l。SO2 は圧搾時にのみ、ほんの少量 使用。年間生産量 1882 本。
「味見しながら造ったら、マセラシオンが 36 時間と長めになってしまいました。赤ワインか、というぐらい濃い色になってし まったのでちょっと反省したのですが、味わいのしっかりとした、料理と合わせていただけるロゼだと思います(ジェロー ム)。」

100 Pourcent Meunier
セパージュ : PM100%
畑 : バレ・ド・ラ・マルヌに 6.7ha 所有。標高 102m。南及び南西向き。
樹齢 : 平均 35 年
密植度 : 10000 本/ha
栽培&醸造 : ビオディナミ農法。8~10 日毎に銅、硫黄、ハーブティーを撒く。収量は 60hl/ha。2011 年のキュヴ ェがメイン。最も良いムニエを選んでいる。垂直式プレスで圧搾。樽とステンレスタンクにて、自然酵母を用い 19°Cで 15 日間かけてアルコール発酵。MLF は 16°Cで 45 日間かけて行なう。82%をステンレスタンク、18%を樽にて 8 ヶ 月間の熟成。少々フィルターにかける。清澄はなし。澱引きなし。ドサージュ 1g/l。SO2 は圧搾時にのみ、ほんの少 量使用。年間生産量 1555 本。 「自分自身でもビオディナミ栽培のPMにこんなにポテンシャルがあるとは思っていなかった。畑としては Villiers-Saint-Denis のPMが大半だと思うが、何しろ実験的に取り組んでみたキュヴェなので畑すらちゃんと覚えて いない。2015年末には2500本出す予定です(ジェローム)。」

キュベ・ロゼ・ド・セニエ

(ブルジョワ・ディアズ)

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テイスター: 田中克幸

濃いめの色から想像する通りの華やかでいて濃密な香りとしっかりした赤ワイン的なコク。ピノ・ムニエの内面的な力強さとピノ・ノワールの外向性&細やかさが相乗効果をもたらす複雑で動きのある味わい。新世代シャンパーニュのひとつの典型の個性。2015/10/8

評価:★★★★★

テイスター: 宮地英典

鮮やかな色合い、芳醇な香り、力強くエレガント。シャンパーニュというよりまだ見ぬ新しいワインを味わっているよう。こういったワインの熟成はシャンパーニュのマーケットにどういった変化を与えていくのか興味はつきない。2015/10/8

評価:★★★★★

キュベ・ソン・プルサン・ムニエNV

(ブルジョワ・ディアズ)

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テイスター: 田中克幸

ドザージュで覆い隠されることない極めてミネラリーな構造とパワー感。さすがビオディナミといえる前後、そして時間軸上での動き。ピノ・ムニエの腰の座った性格と西マルヌならではの明るさが多面性を生み出す。2015/10/8

評価:★★★★

テイスター: 宮地英典

ピノ・ムニエという品種由来からか、明るい芳香が数限りなくグラスから感じられる。しみじみと滋味深い上質の果実味とスケール感に圧倒。2015/10/8

評価:★★★★

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