ワイナリー 2015.11.17

アルヘイト・ヴィンヤード Alheit Vineyard

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アルヘイト・ヴィンヤード Alheit Vineyard
産地:南アフリカ ヘルマナス Hermanus,South Africa

南アフリカ

【歴史】
2011年にファーストヴィンテージ、カルトロジーをリリースして瞬く間に南アフリカで最も評価され、注目をあびるようになったワイナリー。クリスとスーザン・アルヘイト夫妻は、ケープワインインダストリーで働きながら世界のワイナリーを多く訪れ、その経験により「ケープ土着の品種を使ってテロワールを表現したい」と思うに至ります。クリス氏は標高300メートル前後、海風や山おろしのある乾燥した区画に植えられている古木に着目。1656年にこの土地で既にシュナンブランとセミヨンが植えられていた記録が残っていることから白ワインに特化し、畑は一切持たず、契約栽培家からの葡萄で醸造を行っています。

【畑】
南極大陸から流れる海流の影響を受け、緯度の割に冷涼な気候を保っています。ワイナリーの本拠地はヘルマナスですが、葡萄は各地の栽培家と契約して条件にかなったものを購入しています。主に30年以上の古木が植わった小区画の畑
ですが、樹齢のみを考慮しているのではなく、各区画の立地条件を非常に重要視しています。天然の酸の高い澄んだ味わいを持ったシュナンブランを収穫するため、大西洋からの冷涼な海風は畑に不可欠と考えています。

【醸造】
収穫後、葡萄は房ごとゆっくり、ジュースを味見しながらプレスしています。その後低温のタンクで24時間静置しますが、この際酵素やSO2など、添加物は一切加えません。それらをマストに加えることはバクテリアの持つポテンシャルを崩し、発酵を妨げることになると考えているからです。また、マロラクティック発酵までのスムーズな移行は収穫時の酸が関与するとの考えから収穫日の決定には非常に気を使っています。また新樽は使用せず、全て使用済の樽(最も新しいものでも5年)を選んでいます。例えて、相撲の力士よりも体操選手のような、「パワーにあふれていながら軽やか、重たくないワイン」
を作ることを目指しています。

カルトロジー2014 Cartology2014
シュナンブランは4つの区画からのブレンドで88%、残りはセミヨンのブッシュヴァインで構成されています。
全体の35%を占めるのがスカーフバーグ畑からのシュナンブラン。この畑は標高440~550mに位置し、35~50年の古木が植わっています。ミネラルに富むフィネスのあるジュースが得られ、その味わいがカルトロジーの骨格を作ります。まだ若いながら深みと繊細さが感じられる味わいに仕上がっています。トップはレモン、フェンネル、りんごや桃の蜜のような香り。バランス良くゆったりとしていて、余韻も長く口中に広がります。

カルトロジー2014

(アルヘイト・ヴィンヤード)

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テイスター: 田中克幸

スカッと潔いミネラルの爽快なエッジ感と、高密度の果実味の充実したコク。そこそこの大きさの中で堂々として滲まずブレず、分かりやすい自己主張がありつつもしかし単細胞的にならない味わいの奥行き。2015/10/8

評価:★★★★+

テイスター: 宮地英典

凝縮感たっぷりの果実味が立体的な花火のように広がり、永い余韻をともなって糸を引くように続く。トロピカルでもあるが、苦みをともなうはっきりとした酸がエレガントに仕上げている。楽しかった夏の1日の思い出のようなワイン。2015/10/8

評価:★★★★+

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