ブルゴーニュというと、皆さんどんなイメージをお持ちでしょうか?
きら星のような珠玉のグラン・クリュの数々。長い熟成を経てグラスを満たす官能的な香り。ワイン・ラバーの誰もがブルゴーニュの素晴らしさに心打たれた経験があります。
かくいう私もイタリアワインのインポートにも関わっていますが、先日も社長とワイン(自社輸入のイタリア)を飲みながら「いついつ飲んだ○○は素晴らしかった」などとブルゴーニュ談議に華を咲かせるという夜もありました。
そんな罪つくりなピノ・ノワールを産出するブルゴーニュですが、いつの間にか忘れ去られようとしているワインがあります。ブルゴーニュ・ムスー・ルージュはクレマン・ド・ブルゴーニュよりもAOC認定は早く、古くから親しまれてきた辛口の赤スパークリングです。
ブルゴーニュというエチケットのボトルにはスティルの赤ワインが詰められているほうが当然売りやすいということから生産量は長くに渡って激減。現在では数軒の造り手が僅かな数量を生産しているに過ぎません。
このワインの生産者、ルネ・ジョルジュはサヴィニー・レ・ボーヌに拠を構えながら、スパークリング・ワインのみを生産するドメーヌ。サヴィニーやオート・コートに畑を持ち、良質なピノ・ノワールはこうして「ムスー・ルージュ」として瓶詰めされます。
赤の泡というとランブルスコやオーストラリアのシラーズ・スパークのように残糖がある印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、表記はブリュット。チャーミングな赤いベリー系の果実が泡と相まって爽やかにお楽しみいただけます。
愛好家の方にもワイン初心者の方にも幅広くオススメしたいワインです。