コラム 2016.01.24

泡のあるワイン 座談会Vol.2

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カベルネ・ソーヴィニヨン・ロゼ・ゼクト2012/シュタイニンガー

田中:カンプタールにカベルネが植えられているのですか?これはおもしろいですね。タンニンもある、酸もキレイ、香りもスッキリ。大変垂直的。カベルネ・ソーヴィニヨンという品種本来の良さを泡が引き立てているじゃないですか。熟してないカベルネで無理に赤ワインを造らなくてもいい。

宮地:カベルネとしてモモの香りを感じるワインは面白いですよね。カンプタールは栽培地として北限ですよね。

八田:消費者目線でいくとアペリティフとしては少し重たいかな。料理があってほしい。

田中:グリルした鶏肉のサラダとかよさそうです。初夏の晴れた午後のテラス席みたいなシチュエーションが脳裏に浮かびます。

宮地:桃を使ったデザート等、ベリー系、パンナコッタとかもいい。白、ロゼ、赤というくくりじゃなくて、半歩ずらしたワインと捉えても良いのかと。

田中:目をつぶって飲んだ時カベルネだとかカンプタールだとかではなくてシチュエーションを思い浮かばせてくれる。

八田:この重量感はシャンパーニュにはないですよね。さすがカベルネ。シャンパーニュ好きはピノ・ノワールが絶対だと思っているかもしれないですが、このワインの黒いベリー系の風味は、これはこれで好きだという人がいると思う。

田中:これは軽やかだけど、軽薄感がないというのがポイントです。泡が品格を生み出しています。

宮地:スパークとして、というよりワインとして完成度が高いですよね。ボルドーとは比較対象にならないですけどね。

田中:ボルドーでもアントル・ドゥー・メールの黒ブドウにはこういった方向性はありだと思います。今のクレマン・ド・ボルドーでは表現しきれてない領域。

宮地:プティ・ヴェルドやマルベックのスパークリングだって新しい味覚を表現するワインになるかも知れない。とはいえ世界中で広く栽培されているカベルネ・ソーヴィニヨンだからこそ、あちこちで造られるようになったら地域性が浮かびあがる。

田中:もっと知られてほしいワインです。プレゼントに貰ったら嬉しい。

八田:意外性がありますから。模倣していないオリジナリティがあるから、プレゼントにはいいですね。

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泡のあるワイン 座談会Vol.3に続く

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