コラム 2015.11.26

ワインの保管 Storage of Wine

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
securedownload-10

よくワインの保存について尋ねられるのでこの場所を借りて思うところを列挙してみます。まずワインの保存で重要なのは温度、湿度、光、振動の4つというのは概ね議論の余地のないところだと思います。

4つの条件のなかで、湿度と振動がワインの冷蔵庫での保管に向かない理由として挙げられます。確かにコルクの乾燥はワインの酸化を招きます。私自身の経験で云えば1年間ほど冷蔵庫に保管していたシャンパーニュで明らかな酸化が認められたケースが何度かあります。

冷蔵庫での保管ができない以上ワインセラーでとなりますが、日本の住宅事情を鑑みるに、大型のものはなかなか設置場所を確保しにくいという方も多いと思います。

そのため、押し入れに、床下収納になどといった提案がなされてきましたが広い日本で通年一定の温度を保つことを考えると現実的ではありません。

また野菜室での保管も長期保存という観点では語られていませんし、収容本数にも限りがあります。

長期保管を目的としないワインは1年程度で消費するべき?

ワインの長期保存に関してはスクリュー・キャップや代替コルクなどワインの栓に関しての議論と並んで並行しているのが現状です。つまりワインの品質はもちろんワインの栓に関しても、それぞれに合った長期保存を今後考えていかなければいけません。

やはり長い期間の保管を考えると、ある程度のサイズ(60本入程度)のワインセラー、もしくは倉庫に預けるというのが現実的です。よほどの長期保存を目的としない限り、1年程度で消費するのが保管環境のキビシい日本でのワイン消費と考えています。

ワインの長期保管は立てて置くべき?

一般的にワインを保管する際は横に寝かせられていますが、現在では、コルクやスクリュー・キャップ内部の樹脂との長期接触によるワインへの影響が議論され始めていることをご存知でしょうか? 天然コルクに代わる代替栓が増加した2000年以降、コルクメーカーはこぞって新商品を開発していますが、スクリュー・キャップその他の代替栓の熟成との相関関係は未だ明らかになっているとは言えません。

そもそも現在流通している古酒の大半に使われている天然コルクは、ワインとの接触によりワインとコルクの間で揮発性物質を発生させる反応が見られると云われており、過去に我々が経験したことのある熟成したワインの素晴らしさは、コルクとの接触があったからと考えられるため、ポジティブな記憶のサンプルは概ね良質の天然コルクによる影響があるとも考えられます。

DIAMコルクなど、新しい圧搾コルクがブルゴーニュのグラン・クリュへ採用されたこともニュースになっています。コルク臭の除去(※)などのネガティブな事柄の修正が様々な新商品の投入につながっていると考えられますが、栓とワインとのポジティブな反応に関してはあまり語られていないのが現状ではないでしょうか。

コルクその他のワイン栓に関しては、また別項で。

※DIAMコルクとは、コルクの原料から汚染の原因であるTCA(化学物質)を99%除去したもの。

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加