イタリア、トスカーナの名門生産者ロッカ・ディ・モンテグロッシのマルコ・リカーゾリさんが来日。代々木上原イル・プレージョでメーカーズ・ディナーを開催しました。
マルコさんの祖先ベッピーノ・リカーゾリは1847年にサンジョベーゼ70%、カナイオーロ15%、マルヴァジア15%というキャンティ・クラシコのフォーミュラを確立した人物として知られています。今ではマルヴァジアは使われなくなっていますが、その当時は早飲みをするための工夫だったといわれています。
まぁ名門という記載をしましたが、ロッカ・ディ・モンテグロッシはバローネ・リカーゾリなどと並んでキャンティの歴史と歩んできたファミリーという言い方ができる生産者なのです。
ワイナリーとそのワインについてですが、このワインはマルコさんの個性が一貫して表現されています。ではマルコさんの個性って?というと何しろ真面目、完璧主義。ヨーロッパの名家の方って質実だなぁといつも感心させられます。次世代により良いものを残すっていう義務感が自然に身についているんですよね。宿泊するホテルもいつも同じところで決して高級というところでもなく、無駄遣いもしないし。
少し脱線してしまいました。。
真面目で完璧主義なワインというと没個性的なワインと受け止められるかもしれませんが、決してそんなことはなく、年々磨き上げられているたゆみない努力を感じるワインです。もちろん伝統を背景にして。
オーガニック認証取得は2011年。サンマルチェリーノは以前よりスケール感を増していて、キャンティの偉大なワインを知りたい方にはお勧めしたいワインです。ベースとなるキャンティ・クラシコの安定感、ロザートに関してはトスカーナ最上の1本と個人的に思っています。マルコさんの想いと行動がワインに注ぎ込まれているのです。
さて、当日のメニューは写真を参考にしていただくとして、参加者の皆さん誰もが驚かれていたのがウナギのジェレミア煮。ウナギは専門店以上に美味しくいただくことはなかなかというか、まずないと思うのですが、初めて専門店レベルのウナギをイタリアンで提供されました。
そしてワインとの素晴らしい相性、マルコさんをして「完璧なマリアージュ」と言わせたのは嬉しかったー。
藤本ソムリエとも話していたのですが余韻のマリアージュというか、ワイン、料理共に単体の時よりも口中にずっと味わいが残る組み合わせ。
いつもイル・プレージョさんチームは、ワインはしっかり前もってスタッフ間でテイスティングし、料理を組み立てるというのを真面目にやってくれます。
※ウナギのジェレミア煮。ポレンタも手作りの美味しいものってなかなか食べられないですよね。
今月オンメニューしているとのことでした。
※白神山地の天然キノコのピーチ 七飯町の王様しいたけ イタリア産黒トリュフ、グリルした下仁田ネギ
うま味の塊のようなヒトサラでした。
※茨木産乳飲み仔鳩 サルミ仕立て ホウレン草のピュレと素焼き 干し柿
低温ローストで火は入っています。仔鳩の部位を一通り楽しめるヒトサラです。
実際皆さん、キャンティって普段飲まれるのでしょうか?いっとき安かろうまずかろうキャンティが多く出回ったこともあるのか、自分の周りではキャンティ・クラシコというDOCGは消費されてしまった感もあります。
けれどもこのロッカ・ディ・モンテグロッシのようにオーガニック認証を取得し、より高品質のサンジョベーゼのワインを造ろうという生産者がいるのも事実です。フラッグシップであるグランセレツィオーネ・サンマルチェリーノは11世紀建設の教会系の由緒ある畑からとれたブドウ100%。グランセレツィオーネは2009~2010年ヴィンテージから新たに制定されたDOCG、トスカーナでも古いグランクリュの概念を復活させようという試みも現在進行形で行われています。
※写真はサンマルチェリーノ教会とその周囲の畑。今はボロボロの建造物ですが、立て直してゲストハウスに仕上げる計画を進めているとのこと。
ワインの話に終始してしまいましたが、このイル・プレージョさんは小箱が好きな僕にとって、最高のレストランのひとつです。お近くの方一度是非。
また生産者来日の際にはこういった会を企画していきたいと思うレストランですので、宜しくお願いいたします。
ご参加いただいた皆様ありがとうございました!!
※写真はソムリエの藤本さん。実は僕とも10年来のお付き合い。素敵なサービスでゲストをお迎えしてくれます。
お店の情報は↓ ↓ ↓
Il Pregio(イル・プレージョ)
〒151-0064 東京都渋谷区上原1-17-7 フレニティハウス2階
03-6407-1271 ホームページはコチラ
※11:30~13:30(L.O) 18:00~20:30(L.O)
木、金はディナータイムのみ
水曜日、第1木曜日定休