コラム 2017.03.03

マリー・エ・フランソワ・ジロー メーカーズ・ディナー後記

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フランス、南ローヌのシャトーヌフよりマリー&フランソワ・ジローのフランソワさんが初めての来日。渋谷の僕の古巣、bedでメーカーズ・ディナーを開催しました。

おかげさまで満員御礼、ご来場いただいた皆様ありがとうございます!!フランソワさんもなんか楽しかったみたいです。

今回ご提供したワインについて簡単にご説明すると南ローヌ、シャトーヌフという産地ではグルナッシュを軸に複数品種をブレンドした赤ワインが主。白ワインは全体の数%です。

この造り手も36ha中、1haしか白ワイン用の畑は持っていません。おおむねどこの造り手もそんなイメージです。13品種ブレンドが許されている、またほとんどの造り手は異なる土壌の区画を少しづつ所有しているのが常なので、品種と土壌の寄木細工のような様々な色合いをマニアは楽しみます。

アメリカで流行ったこともあり10万円するような高級ワインもありますが、ブルゴーニュやボルドーに比べれば日本では一部のワインしか知られていないのかもしれません。

で、この造り手はグルナッシュ100%のワインが多いということがひとつの特徴。グルナッシュという品種100%の偉大なワインは世界でも数える程度しかなく、そういった数少ないワインのひとつを産み出す意図でそうしているのかと質問してみたところ、「代々継承してきた区画に古い樹のグルナッシュを多く持っているため、今できるベストに挑んでいるだけ」との答え。なんだか自然な受け答えで、もともとこのワインは好きでしたが、フランソワさん思っていたよりずっといい人です。

「樹齢100年の古木も所有しているけれど、あと10年はもたないと思う」。印象的だったのがこのひと言でした。
写真はリラックに植えられている樹齢60年以上のグルナッシュ100%から造られるコート・デュ・ローヌ2015。グルナッシュ100%ではリラックを名のれない為コート・デュ・ローヌでリリース。希望小売価格3,800円。僕の周りではベストコスパワインに挙げる方もちらほら。残念ながら完売です。砂質の畑ながらも2015年はローヌは大変完熟した年、Alc15.5%の仕上がりですが、数字ほどは強さを感じません。

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そして現在輸入されているワインではもっとも南ローヌらしく複数区画、グルナッシュ80%、シラー15%、ムールヴェードル5%の複数品種で造られるシャトーヌフ・デュ・パプ”トラディション”2013&2014。

2013年のほうが寒暖差があったことにより、より輪郭、ストラクチャーがはっきりとした印象。フランソワさんもより長熟なのは2013年ではないかと同意見。こちらも平均樹齢60年以上、ですがシラーとムールヴェードルが30年ほどと下に引っ張っているのでやはりグルナッシュは古い樹なんですね。どちらも2015年のフレッシュで強い印象からぐっとエレガントで、ミネラルのニュアンスが会話の中で生まれるような繊細さも併せ持ったワイン。希望小売価格7,500円。2013年はほぼ完売。

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このドメーヌが自社瓶詰を開始したのが98年から。正式に今のブランドになったのは2000年からなのですが、それ以前は栽培農家としてワイン生産には長く関わっていました。このキュベ名”グルナッシュ・ド・ピエール”はお二人のお父上ピエールさんのグルナッシュの意。こちらラヤスで有名なピニャン畑を中心に樹齢100年のグルナッシュの古木100%から造られてるフラッグシップ。このドメーヌ、85%を輸出しているのですが(ローヌは輸出割合が概ね高い)アメリカが最も大事なお客さん。というのも20ヴィンテージに満たない中でいわゆる100点ワインにもなっているのがこちらのキュベ。希望小売価格15,000円。

このドメーヌの話になると名前が挙がるのがコンサルタントのフィリップ・カンピ氏。アメリカで評価されるワインを数々産み出し、2010年のアドヴォケイトのベストワインメーカーにもなっていたと記憶しています。以前はこのドメーヌもいわゆる”カンピらしい”凝縮感と強さのワインだったのですが2010年くらいからスタイルに変化を感じていました。本人曰く「フランスのワインは皆そう。輸出マーケットじゃなく、いわゆるテロワールを表現したいっていう時代なんだよ」。

世界で最も有名な南ローヌの造り手といえば、シャトー・ラヤスの名前があがると思いますが、ラヤスと比較した際、アフターの圧倒的な拡がりで及ばないところはあります。すごいワインって、そもそもそういうシンプルなもので飲み手の100点満点を超えてくるところに魅力があります。ラヤスは産地の中でも圧倒的な存在で、バルバレスコにおけるガヤというか、象徴的な存在なので比較する対象としては不適切かもしれません。

ただスタイルとして、徐々に砂質のグルナッシュの素晴らしいワインという点でラヤスの表現する大きなエレガンスの方向性を感じるワインです。

もちろんフランソワさんはレイノー家は大変尊敬してるとのこと。グルナッシュのワイン造ってる人でラヤス好きじゃないって話は聞いたことないですもんね。ブルゴーニュでDRCは別に好きではないという話は聞いたことありますが。

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今回フランソワさんはわずか3日の滞在。本当はお寿司が好きだそうでアヴィニョンにある寿司屋には良く行くそうです。次回来日した際にはスシパーティーをと伝えたら、その時にはヌフパプのの白とVdFの白も造ってる!と盛り上がり、2019年のラグビーW杯@日本は必ず観に来るそうです。聞けばご本人20年間に渡ってプレイしていたこともありラグビー大好き。またローヌではサッカーは法律で禁止されていて住んでいる人みなさんラグビーを愛しているとのことでした。

 

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