LOVE ROSEは2011年に発足した「ロゼワインが日本でもっと飲まれればいいのに!」という団体です。詳しくはホームページをご参照のほど。
フランスでは現在ロゼワインのシェアが3割、イギリスでは2000年からの10年で7.6倍とワインの成熟市場ではロゼの人気が高まっています。では日本は?というとワイン全体の割合でわずか1%にとどまっています。
なぜロゼワインが欧米で人気かというと答えはカンタン。安くて美味しいから。高級赤ワインの副産物的につくられるものなどは掘り出し物と呼べるようなワインも多数あります。
さて、そんなロゼワインばかりの試飲会が新宿で開催されるということで行ってまいりました。20を超える出展社のスティルタイプのロゼワイン50余りが所狭しと並ぶなか、これは秀逸と思ったものをいくつかご紹介いたします。
BKロゼ2015/BKワインズ
南オーストラリア州バスケットレンジでまだ設立10年にも満たないワイナリー。オーパス・ワンで名を馳せたポール・ホブスの愛弟子ブレンダン・キースがワインメーカーを務めます。上級キュベのゴーワー・ピノ・ノワールのセニエでつくられるため、原料となるブドウはワンクラス上のもの。凝縮感のあるイチゴのアロマに心地よいスパイス。中途半端なイメージがつきまとうロゼワインのなかでは力強く男性的な印象。誰に対してもすすめられるファインワインです。
アリカンテ・ブーシェ2013/ロックフォード
プティ・ブーシェとグルナッシュの交配品種アリカンテ・ブーシェ。濃い色調はその果皮の厚さから。ほんのり甘味を感じるAlc10%ほどのワインというと「ロゼって甘い」というイメージを踏襲してしまいそうですが、輪郭のはっきりした酸に支えられて、なんともオリジナリティのある味わい。どこか懐かしい洋菓子、シロップ漬けのチェリーに香ばしい生地といった素朴な味わいを思い起こさせてくれます。
ウイユ・ド・ペルドリ2014/ドメーヌ・クロワ・デュプレ
スイスのピノ・ノワールから造られるロゼ。ワイン名はやまうずらの眼の意味でシャンパーニュでも同名のワインがありますね。きれいで余韻の長い酸と上品でよそいきのたたずまいが印象的なワイン。ロゼというと夏向きのイメージがあるかもしれませんが、パーティーやちょっと特別なディナも守備範囲の品格のある仕上がりです。
マスカット・ベリーAクラシック・ブラッシュ2014/高畠ワイナリー
写真暗くてすみません。マスカット・ベリーAのロゼと人気のなさそうな組み合わせですが、これが1,273円は驚き!軽やかでチャーミングな小粒の果実が活き活きとした明るい陽性のワイン。これは近所で売ってたらデイリーにしたいくらい。山形県の高畠ワイナリーさん、さすがまっとうなワインを送り出してきます。
ブランク・デ・ヌワール2014/アンフォラ
イスラエル・ワインの輸入を手掛けるナムダル・ワインズさんのアイテム。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フランのロゼ。というかネーミング的には軽く色づいた白なのでしょうか。アンフォラ(甕仕込)っぽくない味わいだと思ったら、アンフォラが出土したのでブランド・ネームにしてるだけとのこと。紛らわしいですが、味のほうは文句なし。白ワインにアクセントとして黒系果実のニュアンスやタンニンが溶け込んでいるイメージが想像しやすいでしょうか。ワイン会に持っていって大勢で飲みたい楽しいキャラクター。
アヨルギティコ14-18h2014/イエア・ワインズ
ギリシャの地場品種アヨルギティコのロゼ。ベリー系の味わいにスパイシーさのアクセント。色調はやや濃いめのロゼ。夏にしっかり冷やしてというイメージならこちらが一番しっくりきます。
いくつか印象的だったロゼをご紹介しましたが、体系的でなく知識を求めないロゼワインは逆に選ぶのが難しいのかもしれません。6月にはLOVE ROSEさんのパーティーも開催されるようですので、ご興味ある方参加してみてはいかがでしょうか?
またワインショップの方でもロゼワインを販売しています。こちらもフランスの銘醸ロゼ。ロゼの魅力がふんだんにつまった、入門編としては最適な2本と自信を持ってオススメしています。