今なお世界最高のピノ・ノワールの銘醸地としてブルゴーニュは名を馳せています。
ピノ・ノワールとは何か?ブルゴーニュの名声を支えるブドウ品種であり、世界中の醸造家が自家の畑に植え、その何かを追い求め続けています。
カリフォルニアでのピノ・ノワールの始まりは1862年にアガストン・ハラジの輸入。しかし結実しなかったと伝えられています。それから10年、ポータルという生産者の輸入記録が彼の地でのピノ・ノワールの最初ではないでしょうか。
当初、ブラック・バーガンディーやプティ・ピノと呼ばれ、ワインはシャンベルタンと云われていたそうです。19世紀中には栽培の難しさは周知のものになり、20世紀においては60年代まではカリフォルニアでは非常にマイノリティーな存在になっていました。
80年代以降、ディジョン・クローンの公開、ブティック・ワイナリーの隆盛、ピノ・ノワールの低温マセラシオン、天然酵母の採用等、現代に続くカリフォルニアのピノ・ノワールの歴史は新たに歩み始めます。
ひとつのカリフォルニア・ピノ・ノワールの可能性
その後、幾つもの珠玉のカリフォルニア・ピノ・ノワールは産まれ、”産地らしさ”が語られてきました。サンタ・リタ・ヒルズAVAは2006年にピノ・ノワールに最適ということを念頭に新たに線引きされた産地です。ドメーヌ・ド・ラ・コートはそのサンタ・リタ・ヒルズでピノ・ノワールに挑戦する生産者。世界中で新しい試みがなされているなか、その繊細さとスケール感はゆくゆくはカリフォルニアのテロワールと相まって語られる事でしょう。このワインは私にとって10年後、20年後が楽しみと思わせてくれた初めてのカリフォルニア・ピノ・ノワールです。
サンタ・リタ・ヒルズ
america
ラ・コート2012
(ドメーヌ・ド・ラ・コート)
冷 ○ ○ ● 温
柔 ○ ● ○ 固
低 ○ ● ○ 高
小 ○ ○ ● 大
集 ● ○ ○ 拡
縦 ● ○ ○ 横
テイスター: 宮地英典
躍動感ある果実味に少しオリエンタルに感じるスパイスのニュアンス。完熟は程よく抑制され、ヴェルヴェットの質感がどこまでも心地よく続く。エレガントさと動的な力強さ、そしてゆるやかに描かれる陰影とのコントラストが美しい。10年後どういったワインになっているのか大変興味深い。2015/12/5
評価:★★★★★