当主ミシェル・シャプティエさんが参加しての楽しい講座を日本橋浜町ワインサロンで開催した。
最初は1時間だけと言われていたが、エルミタージュ栽培家組合(彼が会長)の会合の開始ギリギリまで2時間もお話して下さった。
ありがたい。
そもそも多忙なシャプティエさんは普通ならこうしたローカルな消費者向けのセミナーに参加しないはず。ご視聴の方々が日本有数のローヌワインファン、シャプティエファンだ、と認めて下さったからだ。
時にはなにを言っているのかわからないぶっ飛んだ話をするシャプティエさんだが、この日は理路整然かつ楽しそうだった。
テロワールの表現における人の関与、人の意味をしっかり語っていた。「ローヌ渓谷はアルデッシュと前アルプスに挟まれ閉ざされたエリア。
山のワインは山の人間だけが作ることが出来る。
どうしても外国の労働者が必要な時は、山国かつ農薬に汚染されていないエクアドルから人を呼ぶ」といった、初めて聞く話がたくさん。「植物も動物も微小生体電気があり、それでコミュニケーションしている。好かない人間が来るとブドウは嫌がって病気になる」。
東京人はシャプティエでは働けないということか。
最近ではブドウと会話できるドイツの器具もあることだし、それを使えば山出身でなくともブドウに人の選別をしてもらえばいいとは思う。
しかし基本的考え方として、ブドウと相思相愛でない人はブドウ畑に入ってはいけないし、まして剪定などしてはいけないのは確かだろう。
他にも興味深い話がたくさん。勉強になった。
ワインは写真の4種を試飲。もちろんどれも素晴らしいが、エルミタージュの白、ド・ロレは圧巻。豊かでいて最上の意味で飲みやすい。思わず次の一口が欲しくなるエネルギーの塊。ワイン造りの考え方をシャプティエさん自身から聞きながらテイスティングする機会は本当に貴重だ。おかげで皆、よく理解できた。