コラム 2016.05.24

シャンドン・ド・ブリアイユ・メーカーズ・ディナー後記

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2016年5月23日、ブルゴーニュ、サヴィニー・レ・ボーヌのシャンドン・ド・ブリアイユの現当主フランソワ・ド・ニコライ伯爵を招いてのメーカーズ・ディナーを開催しました。

場所は私のホーム・グラウンドshibuya-bed。尾崎牛をフランソワさんに召し上がっていただこうという企画でもあります。

※いつもの事ながら料理の写真を撮り忘れる。。こちらしか撮っていませんでしたが、尾崎牛のカルパッチョに同じ牛からひいたコンソメをかける前の段階。フランソワさんに尾崎牛の「UMAMI」に喜んでいただけました。

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簡単にドメーヌをご紹介すると1834年設立の歴史ある生産者。ドメーヌ名は創始者の祖母シャンドン・ド・ブリアイユ伯爵夫人を由来としています。7代目に当たるフランソワ氏が引き継いだのは2001年、栽培をビオディナミに切り替え改革を始めます。サヴィニー・レ・ボーヌでは珍しくエコセール、デメターといった認証も取得し、より品質の向上が期待できる生産者です。

当日のワインリストは以下の通り

・Savigny Les Beaune2013

・Savigny Les Beaune2012

・Savigny Les Beaune 1erCru Aux Fourneaux2013

・Savigny Les Beaune 1erCru Les Lavieres2012

・Corton Blanc Grand Cru2004

・Pernand Vergelesses2011(1級イル・ヴェルジュレスの若木)

・Volnay 1erCru Caillerets2006(借地だったので2009年VTが最後)

・Pernand Vergelesses 1erCru Les Vergelesses2005

・Corton Bressandes Grand Cru2008

※赤文字はご参加くださった皆様へフランソワさんからのプレゼントということで蔵出しのワイン!!

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村名のサヴィニー・レ・ボーヌは1級と村名にまたがるオー・フルノーの斜面下部分。1級部分に比べ粘土質が多く含まれ、早いうちから楽しめるヴィラージュです。それぞれヴィンテージの特徴をよく表していて、2012年は(生育期初期の雨や初夏の高温で健全な結実が不安視されましたが、生育期後半から収穫にかけての好天により収量は減ったものの小粒でフェノールを多く含んだ果実が収穫され特に赤ワインの品質は高評価)フローラルなアロマ、チャーミングな果実味が印象的な近づきやすいワイン。2013年は(雹や生育期後半の雨、成熟の遅れによる収穫の遅さ、全体に酸度の高い果実。その高い酸が過去のヴィンテージと比較して長期熟成に向くという議論もなされています)硬質でタイトな印象、本領発揮はこれから?と、同じ区画ながらまるっきり違った性格はブルゴーニュらしく好感が持てます。

1級のオー・フルノーとラヴィエールは隣接する畑ながら、よりラヴィエールの方が長期熟成に向く畑(表土が薄く、石灰質土壌の影響をブドウに反映させやすい)。ただどちらもヴィラージュに比べると2段階上のクラス、より多面的であらためてブルゴーニュの格付けの正しさに感心させられます。

圧巻は2004年のコルトン・ブラン。10年を超えて熟成の片りんは見せていますが今も緊張感のある立ち姿は立派。しばらく飲み頃は続くワインなのでしょう。個人的にはコルトンは赤より白が好き。赤は単一の区画では特級に期待する多面性を発揮しづらく、シャルドネの方がピノ・ノワールより素直に美味しいワインになってくれるように思います。

興味深かったのは、フランソワさんのビオディナミの考え方のお話し。「畑を耕すのにトラクターより馬の方が良い。重いトラクターによって土が踏み固められることがないし、馬の方が賢いので根を切ることもない。けれど一番重要なのは畑に人が入ること。便利に機械がやってくれるわけではなく、ゆっくりと丁寧に人が畑に手を加えることが最も重要」

この便利でないことの優位性は、レストランを運営していくうえでも良く考えたことのひとつで、そもそも飲食業って効率が悪い。席数に限りもあるし、準備をしていてもあっさり予約をキャンセルされる。なんなら連絡もなしに。じゃあ効率的なことをやろうとすると随分つまらないお店になるし、だいたいうまくいかない。永く続いているお店を見たときに共通しているのは、お店を当たり前に大切にしていたり、料理やワイン、お客様に愛情をもって接するといった人間的な魅力や要素だったりもします。

ちょっと脱線してしまいましたが、結局美味しいという主観的な価値を支えているのは人間的な要素、毎日のルーティンの精度と継続なのかなとあらためて思い返させられたところです。

フランソワさんの代になり、ビオディナミを導入して10数年、ブルゴーニュも若いドメーヌやミクロネゴスといった新しい潮流があるなか、サヴィニーやペルナン・ヴェルジュレスといった畑でビオディナミを早くから取り入れたことは価値があるように思います。10年ちょっと前はビオディナミというとオカルト的な響きがありましたが、今では是非とも継続していっていただきたいと切に願うわけであります。

このドメーヌで特に可能性を感じるのは1級イル・ヴェルジュレス。ピノ・ノワールも良いですが、シャルドネも秀逸。ペルナン・ヴェルジュレスという村そのものが限られているなかで、コルトン同様、ピノ・ノワールよりシャルドネの方が良さを表現しやすいのでは?なんて事を一連のテイスティングで考えさせられました。

シャンドン・ド・ブリアイユのオンラインショップはコチラ

※別日に開催されたセミナーのラインナップ。ヴィンテージの要因も大きいと思いますが個人的に2013年のコルトン・ブランよりも2007年のイル・ヴェルジュレスの方が引き締まった緊張感のあるシャルドネで好み。

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最後にお店の紹介、カウンターのみ14席のワインバー&レストラン。毎週旬の食材をテーマに料理を提案、メインの尾崎牛低温ローストがスペシャリテ。私が以前いた店なので、身内ひいきになってしまうかもしれませんが、好みを伝えられる使い勝手の良い一軒。バイザグラスも豊富。

shibuya-bed(シブヤ・ベッド)

〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂2-23-13シブヤデリタワー2F

03-3476-6120  ホームページはコチラ

※18:00~26:00

不定休

 

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