2015年宮地のベストワイン、田中さんと2人で挙げてみましたが、2016年末には多くの方とこの話題で盛り上がりたいななんて考えています。
僕のテーマは熟成や将来性。なかなか古酒市場は一部のワインのためだけにカタチづくられていますが、今回挙げたワインはどれも10年後20年後飲みたいと思うワイン。自分のために寝かせるワインはブルゴーニュやボルドーの有名ワインでなくても良いのでは?という提案です。
それでは本年も宜しくお願い致します。
Clos d'Ora2012 Gerard Bertrand
クロ・ド・ラ2012 ジェラール・ベルトラン
品種:シラー、グルナッシュ、ムールヴェードル、カリニャン
産地:ラングドック、フランス
ラングドックに新たに産まれたグラン・クリュ。
圧倒的な存在感と凝縮感は他の産地の偉大なワインと肩を並べられるだけのポテンシャルを持っている。ラングドックらしさをあらためて考え直させられるとともに、数十年熟成するであろう将来が楽しみになるワイン。
Chardonnay2011 Bell Hill
シャルドネ2011 ベル・ヒル
品種:シャルドネ
産地:ニュージーランド、カンタベリー
さんざんブルゴーニュを飲んだ人に是非この驚きを共有してほしいワインのひとつ。柔らかな質感のなかに硬質で噛めるような細かなミネラルを感じる。スケール感と繊細さを併せ持った偉大なシャルドネ。生産本数が少ないためワインショップで見かけたら迷わず購入を奨めます。ピノ・ノワールももちろん素晴らしい。
la Cote2012 Domaine de la Cote
ラ・コート2012 ドメーヌ・ド・ラ・コート
品種:ピノ・ノワール
産地:カリフォルニア、サンタ・リタ・ヒルズ
カリフォルニアのピノ・ノワールはもちろんどれも素晴らしいが、こんな個性を待っていたと衝撃を受けたワイン。可愛らしい、小粒のベリー系の果実味が丁寧に並ぶが、そのスケール感は間違いなくグラン・ヴァン。カルフォルニアのピノ・ノワールなんて、と思っている方、一度飲むべき。そして熟成させるべき。
High Sands Grenache2012 Yangara Estate
ハイサンズグルナッシュ2012 ヤンガラ・エステート
品種:グルナッシュ
産地:オーストラリア、マクラーレンヴェイル
シャトーヌフ・デュ・パプを除いて素晴らしいグルナッシュに出会ったことはありますか?こちらは久しぶりに驚きを与えてくれたグルナッシュ。標高の高い砂地の単一区画から産み出されるのはエレガントな質感と力強いヴァイオレット・カラーの果実味。アメリカのグルナッシュ・ラバーではなく、シャトー・ラヤスを愛する人にこのワインを伝えたい。
Esprit de la Terre AOP Corse Sarténe2014 Pero Longo
コルス・サルテーヌ・エスプリ・ド・ラ・テール2014 ペロ・ロンゴ
品種:ニエルチオ80%、チャカレロ20%
産地:フランス、コルシカ
圧倒的なエネルギーを内包していて、ちりばめられたタンニンの整然とした様子が美しい。コルシカというマイナー産地でもこうしたワインが産み出されている事に驚きを覚えます。そう世界中のワインは美味しくなっているんです。10年後が今から楽しみになるワインです。
Vire Clesse2013 Guillemot Michel
ヴィレクレッセ2013/ギュイモ・ミッシェル
品種:シャルドネ
産地:フランス、マコン
毎年楽しみにしているワインのひとつですが、新着ヴィンテージも裏切らなかった。山査子の香り、柑橘をふんだんに感じる果実味、けれどどこまでも品のあるたたずまい。コート・ド・ボーヌのシャルドネにこの個性と並ぶワインが思いつかない。今後も日本に輸入される事を切に願います。
Syrah2012 Kusuda Wines
シラー2012 クスダワインズ
日本人醸造家楠田裕之氏によるニュージーランドワイン。ピノ・ノワールが世界的に評価されてます。シラーも素晴らしいとは聞いてはいましたが、恥ずかしながら初めて飲む機会に恵まれました。
北ローヌでもこれほどに緻密な質感と厳かなワインをすぐには思いつかない。というかシラーの栽培地の南限と考えると、このワインのオリジナリティー、冷涼なシラーという側面は比較対象がない。
La Rosé de Saignée NV Bourgeois Diaz
ロゼ・ド・セニエNV ブルジョワ・ディアズ
品種:ピノ・ムニエ、ピノ・ノワール
産地:フランス、シャンパーニュ
シャンパーニュ、ヴァレ・ド・ラ・マルヌのRM。鮮やかで見る人を魅了する色合い、期待以上の芳醇な香りは包まれるような心持ちにさせてくれる。シャンパーニュというより、偉大なロゼワインのような佇まい。こうしたシャンパーニュの熟成はマーケットにどういった影響を与えるのか興味は尽きない。
Rochioli River Block Vineyard2012 Williams Selyem
ロキオリ・リバー・ブロック・ヴィンヤード2012ウィリアム・セリエム
品種:ピノ・ノワール
産地:カリフォルニア、ソノマ・コースト
2015年の始まりに毎年行く白馬で飲んだワイン。カリフォルニアのワインはこの15年、様々なスタイルが模索されましたが、こういった流行にのらない、変わらないワインの素晴らしさは再注目すべきところなのではと1年を振り返っています。長年続けてこそ“らしさ”が語られるのではないかと。味わいの印象は華美や誇張がない、丁寧に作り上げられた印象を与えてくれる、カリフォルニアには珍しいどこか陰を感じさせてくれるピノ・ノワール。
Tangerine Dream2015 Small Fry Wines
タンジェリンドリーム2015 スモールフライ
ジョージアワインの輸入で再注目されたオレンジワインは日本に根付くのでしょうか?
今年飲んだオレンジワインの私のベストはこちら。ボトルを開けるたびに違う表情を見せてくれるのにはなかなか困惑しましたが、はまったときのどこまでも深い奥行き、オレンジピールのようなビターさが液体に美しく溶け込んだ調和は赤や白といったカテゴリーを超えたところに意義がある。
ワインが苦手という人でもこれは飲めてしまうかも?というくらいの包容力を持ったワイン。