田中 克幸

シャスラーを考える Terravin、Lauriers de Platine審査会に参加して

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 スイスはなにに関しても独自の路線を行く国だ。外の風がどう吹こうと、己の行くべき道を自覚している。その道を行く手段を持っている。己の強みがなにかを自覚している。その強みを恒常的に再生産するすべを知っている。 スイスワインの魅力は、他の何ものにも似よう...
コラム 田中 克幸

ワインを巡る旅~ブルゴーニュ編~

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 先日デパートのワイン売場で新しいドメーヌのアリゴテとACブルゴーニュを試飲販売しているのを見かけた。なかなかおいしいワインだった。しかし値段を見て驚いた。5ケタだ。ブルゴーニュはもはや手の届かないワインになってしまった、と、改めて思った。 値段に関...
特集 田中 克幸

【ブルゴーニュ】オーガニックの老舗 ジャン・ジャヴィリエ

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※「うちはお金がないから7ヘクタールの畑を身内の3人で面倒を見る。正直、大変だ。本当なら4人は必要なんだ。オーガニックはお金がかかるし、リスクも大きいから、小規模生産者には厳しい。瓶だってラベルだって小ロット発注になるから割高」と、苦労話を語る、アラ...
特集 田中 克幸

【ブルゴーニュ】シャサーニュの赤の可能性 ブリュノ・コラン

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※セラーに貼ってあったシャサーニュの地図。赤くマークしてあるところが彼らの区画だ。村名赤ワインは8か所に点在する区画のブドウのブレンド。一級ワインよりこの村名ワインのほうが多面性がある味なのは、それが理由だろう。畑は正しい形でブレンドしたほうが、むや...
特集 田中 克幸

【ブルゴーニュ】ピュリニーのリージョナル アンヌ・バヴァール・ブルックス

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※ドメーヌの斜め前にある、ラ・コンブ畑。彼らの区画は12畝のみ。10月に鋤き込み、4月に鋤き返し、再び7月に行う。地域名の畑だから平地で、「粘土が多く、排水が悪く、すぐに水が出てくる」。しかし石灰が多く、土の色はまさにピュリニー的で白っぽい。ピュリニ...
特集 田中 克幸

【レバノンのワイナリー】最高の標高から産まれるワイン イクシール

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※現代的な高品質ワイナリーらしい、整然とした醸造所。赤ワインの造りは、ブドウをまず冷やし、5日から8日の低温浸漬のあと、3週間の発酵・マセラシオン。ルモンタージュの回数を少なくしてしっかり抽出するため、タンクはスクエアタイプを使用する。イクシール I...
特集 田中 克幸

ワインを巡る旅~レバノン編~

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「レバノンに行く」と言ったら、誰もが口をそろえて「大丈夫なのか?」。「イスラム国に首切られるのではないのか」とか、「自爆テロに気を付けろよ」。うーむ、日本ではレバノンの理解といったらそんなものなのか。とにかく「危険」というイメージ。「ワインのために命...
特集 田中 克幸

ワインにおけるオリエント的というもの

世界はひとつではない。少なくともワインに関しては。ワインの本質的な魅力とは多様性にある。ひとつの世界のひとつの価値基準によって造られるひとつのスタイルのワインだけが何万種類あれど、我々にとってのワインの楽しみは得られない。  ワインはひとつひとつが別...
特集 田中 克幸

「和食とワイン」考 おでん編

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来日生産者や生産者団体代表が異口同音に言うには、「うちのワインは和食に合います」。誰でもそう言うなら結論はひとつ、なんでも和食に合う、です。和食といってもいろいろありますから、細かく見れば、どのワインでも和食のうちのなにかには合うと言えるのかも知れま...
コラム 田中 克幸

【オーストリアのワイナリー】音楽の街で奏でられる葡萄「ペーター・ウーラー」

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ペーター・ウーラー ペーター・ウーラーのワイン、ウィーナー・ゲミシュター・サッツを始めて飲んだのは一昨年、ウィーンでよく宿泊するホテルの並びにあるカジュアルなレストランで、だ。他の生産者のワインもテイスティングしたが、彼のワインの傑出した芸術性の前で...
特集 田中 克幸

【オーストリアのワイナリー】ノイジードラーゼーの若き才能「トマス・レーナー」

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※トマス・レーナー。1985年生まれ。畑もセラーも彼ひとりですべてまかなう。祖母から引き継いだ畑の前で。トマス・レーナー ここ何年か、ノイジードラーゼーを頻繁に訪問している気がする。昔は貴腐ワインで有名だったが、それは個人的にはどうでもよく、いまやオ...
特集 田中 克幸